日本林学会誌
Online ISSN : 2185-8195
Print ISSN : 0021-485X
ササ群落に関する研究 (III)
明るさとミヤコザサの現存量
河原 輝彦只木 良也
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 60 巻 7 号 p. 244-248

詳細
抄録

明るさの違いによってミヤコザサ群落の高さ,本数密度,現存量および葉面積がどのように変化するか, 3ヵ所の調査地で調べた。裸地に生青するミヤコザサの桿高,本数密度,現存量および葉面積は調査場所によって大きな違いがあり,稗高は1.1~1.4m, 本数密度は200~500本/m2, 現存量は葉量が220~450g/m2, 桿量が250~800g/m2, 葉面積比が170~220cm2/gの範翻にあった。しかし,これらの値は林内にはいると変化し,明るさに影響される。桿高,本数密度,現存量は暗いところに生育しているミヤコザサほど小さくなり,それぞれが裸地の半分の値になる相射照度は稗高と本数密度では5~10%, 葉量と稗量では約20% であった。また,葉面積比は暗いところのササほど大きくなり,葉は薄くなる傾向がみられた。

著者関連情報
© 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top