総合病院精神医学
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原著
コンサルテーション・リエゾン精神科から緩和ケアチームへ
─がん専門病院における症状管理について─
山田 健志林田 由美子佐伯 吉規
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2013 年 25 巻 2 号 p. 144-150

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抄録

がん研有明病院で2つめに立ち上げたリエゾン緩和ケアチームに,2012年6月1日から 2013年2月28日までに依頼された228名(男97,女131,平均年齢60.1歳,標準偏差13.7)の精神科診断は,適応障害59(26%),せん妄52(23%),アルコール依存29(13%),気分障害28(12%),急性ストレス反応20(9%),パニック障害・心気症10(4%),認知症8(3%),統合失調症5(2%),その他(睡眠障害含む)17(7%)であった。不眠,食思不振,倦怠,痛みなどはがん自体だけでなく,化学治療や放射線治療の副作用,うつやせん妄の症状と重なり評価が難しい。このような多臓器にまたがる問題は,症状緩和を共通目標とした多職種チームによる対応が望ましく,これが行えるのが総合病院の強みである。高齢化が進むほど心身両面の理解が必要となり,うつやせん妄の診療に長けた緩和ケアチームの役割は大きい。

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© 2013 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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