日本義肢装具学会誌
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特集 小児整形外科疾患と装具
先天性内反足
薩摩 眞一
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2018 年 34 巻 3 号 p. 181-185

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抄録

先天性内反足の病因は特定できていないが,1,000∼2,000出生に1人程度の発生率で,2:1で男児に多い.病態として距骨の形成不全,足根骨相互間の配列異常,筋·腱·靭帯·関節包など軟部組織の形成不全に伴う拘縮が存在する.診断は特徴的な足部変形により新生児期から容易である.治療は早期に開始することが望ましくPonseti法が現在のgold standardである.同法は理論的で標準化されたマニピュレーションを特徴とし,残存した尖足に対してはアキレス腱皮下切腱を行うものである.矯正終了後には長期にわたる装具治療が不可欠で,再発を予防する唯一無二の手段といえる.しかしながら一部の難治例,再発例のなかには広範囲軟部組織解離を回避できない場合がある.

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© 2018 日本義肢装具学会
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