2013 年 25 巻 2 号 p. 165-170
The Confusion Assessment Method(CAM)は簡便なせん妄スクリーニングツールで,世界的に広く使用されている。今回われわれはCAM日本語版を作成し,2012年1月1日から7月31日までに大腿頸部骨折で整形外科入院となった53症例を対象に有用性を検討した。せん妄患者は12例で認め,有病率は22.6%だった。CAM陽性は11例(せん妄10例,非せん妄1例)で,CAM陰性は42例(せん妄2例,非せん妄40例)だった。CAM日本語版は感度83.3%で特異度97.6%,コーエンのκ係数0.83,φ値0.78と十分に高く,せん妄のスクリーニングツールとして優れていると考えられた。日本語版を含むCAMには著作権があり,原著者のサイト(http://www.hospitalelderlifeprogram.org/private/cam-disclaimer.php?pageid=01.08.00)から入手できる。