Informed consent(説明と同意)は患者中心の医療を行ううえで重要なプロセスであるが,患者・医療者双方ともにその重要性の認識は未だ不足している。また急速な高齢化による認知症患者の増加により,同意能力が低下し自らの医療の決断に困難を要する患者に対する意思決定支援が今後急務となる。しかし支援体制はまだ充足しているとはいえず,代理意思決定権の問題についても法的整備が追い付いていないのが現状である。認知症をはじめとする精神疾患患者を診断・治療し意思決定を支援することは,これからの精神科医の役割として重要である。