総合病院精神医学
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経験
総合病院精神科臨床における脳波の役割
―脳波所見は治療方針を劇的に変えることがある―
谷口 豪澤田 欣吾渡辺 雅子成島 健二
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2014 年 26 巻 1 号 p. 11-20

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抄録

総合病院における精神科臨床の現場においては,症状性精神病やせん妄などの意識障害を基盤とした精神症状に遭遇する機会が多いため,脳波を用いた意識障害の評価はきわめて重要である。しかしながら,わが国の若い世代の精神科医は脳波に対する苦手意識をもつことが多く,必ずしも適切に脳波を活用しているとは言い難い。結果として,脳波が治療方針の決定の過程において重要な役割を担っているという認識が乏しくなっている。そこで,本論文においては,筆者らが実際に経験した,脳波の判読が治療方針の決定に大きな役割を果たして効果的な治療に結びついた実際の症例を呈示することで,脳波検査のもつ重要性に対する注意を喚起した。わが国の若い世代の精神科医が,精神科医にとって歴史的に“付き合いの長い”脳波検査に親しみを感じ,興味をもって臨床の現場で有効に活用するための一助となれば幸いである。

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© 2014 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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