総合病院精神医学
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総説
てんかん患者の自立と社会参加支援
福智 寿彦
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2014 年 26 巻 1 号 p. 21-27

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抄録

てんかんを抱える患者や家族にとっては,発作症状以上にてんかんにより生じる社会的不利,生活や人生への影響が問題となることが多くある。そのため,薬物治療や外科的治療だけでなく,てんかん患者が抱える発作以外の問題にも注目し支援を行うことが必要である。てんかん患者の自立を支援するうえでは,患者自身の選択や意思決定を重視する姿勢を医療者が意識し,患者が障害に囚われず新しい人生の意義を発見するプロセスを指す「リカバリー」を治療目標とすることで,患者が自分らしい人生を送っていく支えとなるものと考えられる。地域社会におけるてんかんに対するスティグマの低減にもつながると考えられるため,その観点からもてんかん患者の社会参加支援は積極的に推し進めるべき課題としてとらえなければならない。本稿では,てんかん患者の社会参加と関係の深い自動車の運転免許の問題についても概観する。

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© 2014 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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