総合病院精神医学
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経験
精神科医が常勤でない総合病院でのコンサルテーション・リエゾン活動と心理士の重要性
國芳 浩平時川 ちづる武井 優佳上野 隆登内村 直尚
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2015 年 27 巻 1 号 p. 36-43

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抄録

朝倉医師会病院(以下当院)は,週に半日だけ精神科医が非常勤としてリエゾン活動のみを行っている。当院では,精神症状のある患者や精神的なフォローの必要な患者の情報がすべて心理士に集約され,それらの患者全員に心理士が介入し,必要がある場合には精神科医へと橋渡しを行っているが,当院では依頼件数の約70%が心理士のみの介入で完結している点が特徴であろう。精神科医が週に半日の勤務でもリエゾンとして成り立っている理由の一つに,心理士のみで完結している例が多いことがあげられるのではないだろうか。当院においては,F4の大部分を占める適応障害に関し,心理士介入のみで改善している症例が多く,結果的に薬物療法を要さなかった。当院における心理士の活動は,精神科医が常勤でない病院はもちろん,精神科医が常勤ひとり医長である総合病院においても心理士が必要不可欠であり,さらに活躍の場を広げることができる可能性を示すものであると考える。

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© 2015 一般社団法人 日本総合病院精神医学会
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