電気けいれん療法(ECT)の有効性に大きく関連する因子として,“全般発作”の有無が想定されている。“全般発作”自体には患者個体の因子のほか,精神科治療薬なども大きな影響を与える。一方そのほかにも,無けいれん性手技に欠かせない麻酔手技や麻酔薬も“全般発作”に関与することが知られている。本稿では過換気などの麻酔手技と,本邦のECTで頻用されているpropofol やthiopentalの使用,remifentanilやdexmedetomidineの静脈麻酔薬への併用,ketamine麻酔など,麻酔薬がけいれん発作に与える影響について概説する。