日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
症例報告
妊娠18週での急性虫垂炎に対し腹腔鏡下虫垂切除術を施行した1例
瀧井 麻美子大谷 博中村 哲生有本 裕一平川 弘聖
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 44 巻 8 号 p. 1018-1023

詳細
抄録

 妊娠中に発症した急性虫垂炎は,しばしばその診断に苦慮することも多く,他の産婦人科的疾患との鑑別が必要になる.本症例は妊娠18週の患者で,上腹部痛を主訴に来院し,臨床所見および術前画像検査で急性虫垂炎が疑われたものの確定診断には至らなかった.腹腔鏡を施行のうえ,急性虫垂炎と診断し,腹腔鏡下にて虫垂切除術を安全に施行した.術後,合併症なく退院し,その後の妊娠経過も良好であった.腹腔鏡手術は妊娠時期により安全に施行できる点や,診断的治療が可能である点において有効であると考えられた.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top