日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
腸回転異常症と肝部下大静脈欠損症を合併した食道癌の1切除例
富永 哲郎日高 重和田中 研次田口 恒徳七島 篤志澤井 照光安武 亨永安 武
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2011 年 44 巻 8 号 p. 955-962

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抄録

 症例は48歳の男性で,検診にて食道癌を指摘され,手術目的で当科入院となった.術前精査の胸腹部造影CTで,腸回転異常および肝部下大静脈欠損・奇静脈拡張・多脾症等の解剖学的異常を認めた.手術は,胸部食道全摘出術+D2郭清・脾臓摘出術,胸骨後経路胃管再建術(頸部吻合)を行い,術後経過は良好で術後32日目に退院した.腸回転異常症は種々の血管異常を合併することがあり,しばしば手術困難であった例が報告されている.今回,我々は,腸回転異常症・血管走行異常を合併した食道癌の1切除例を経験したので報告する.

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