2015 年 48 巻 3 号 p. 201-207
症例は26歳の男性で,心窩部痛を主訴に近医を受診した.上部消化管内視鏡検査で胃穹窿部の粘膜下腫瘍を指摘され当科紹介となった.超音波内視鏡検査にて第3層内に不均一なエコーレベルの腫瘤を認め,内部に小さな低エコー域の混在を認めた.超音波内視鏡下穿刺吸引生検を行ったところ,平滑筋への分化を伴う非上皮性腫瘍が疑われ,胃内視鏡ガイド下に腹腔鏡下胃局所切除術を施行した.切除標本では,異型のない粘膜上皮が粘膜筋板の介在を伴い内反するように粘膜下層を主体に見られた.これらの所見より胃hamartomatous inverted polypと診断した.