2018 年 51 巻 10 号 p. 663-670
症例は32歳の男性で,腰椎X線検査で偶発的に右上腹部に60 mm大の集簇する石灰化を指摘された.腹部造影CT,腹部造影MRIで右横隔膜下に径70 mm大の腫瘍を認めた.術中所見で約80 mm大の腹腔側に突出する右横隔膜腫瘍を認め,腫瘍摘出術を施行した.病理組織所見からCastlemanリンパ腫,hyaline vascular typeと診断された.Castlemanリンパ腫は原因不明のリンパ増殖性疾患であり,縦隔,肺門に好発する比較的まれな疾患であり,自験例のように横隔膜から発生したCastlemanリンパ腫は極めてまれと思われた.