症例は65歳の女性で,近医で上腹部の腫瘤を指摘されて当院へ紹介された.腹部正中やや左寄りに可動性良好な手拳大の腫瘤を触れ,腹部USで内部に液体成分と乳頭状充実性成分が混在する球形腫瘤を認めた.CTでは膵頭部に直径約7 cm大の球形単房性囊胞性腫瘤を認め,囊胞壁から内腔に増殖する不整形充実成分が存在し,腫瘤尾側の主膵管拡張を認めた.腹部MRI所見では囊胞内に出血が示唆され,MRCPでは拡張した尾側の主膵管は,膵頭部で腫瘤の圧排により先細りとなっていた.Mucinous cystic neoplasmやsolid pseudo-papillary neoplasmなどを疑い,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を行った.病理所見は膵管内管状乳頭腫瘍であり,臨床的に分枝膵管発生と考えられた.術後合併症なく約3年間無再発生存中である.非典型的な画像所見を呈した分枝膵管発生の膵管内管状乳頭腫瘍を報告する.