日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
新型コロナウイルス陽性患者に対して感染対策を講じて腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した1例
二宮 瑞樹森田 和豊黒田 陽介深町 由香子南 順也上田 哲弘﨑村 正太郎武石 一樹井口 友宏萱島 寛人原田 昇前田 貴司東 秀史桑野 博行
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2022 年 55 巻 1 号 p. 41-48

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抄録

新型コロナウイルス(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2;以下,SARS-CoV-2と略記)陽性胆囊炎患者に対する腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した1例を報告する.症例は56歳の男性で,急性胆囊炎の術前検査にてSARS-CoV-2陽性が判明した.肺炎像はなかった.まず保存的治療を選択したが発症8日目に症状が増悪し,壊疽性胆囊炎への進展と総胆管への落石による閉塞性胆管炎の状態となった.関係各科にて合同カンファレンスを行って感染対策を協議し,情報共有,シミュレーションを行った後に感染力が低下すると考えられる発症11日目に腹腔鏡下胆囊摘出+C-tube留置術を施行した.術中は高性能フィルターを搭載した気腹・排煙装置の使用などのサージカルスモーク対策の他,在室時間も短縮させるように工夫した.治療計画,術前準備,術中感染対策などについて報告する.

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