抄録
腹部手術症例64例を対象にICG Rmax一日測定法について述べた. また, この方法を用い肝予備能の指標としてのICG Rmaxが手術侵襲により, どの様な変動を示すかを一般腹部手術症例として, 胃癌, 胆石症例など12例, また, 障害肝症例として肝硬変による食道静脈瘤症例10例を中心に検討を行った. ICG Rmaxの変動は, 疾患, 術式などで差がみられ, 術前値より術後の肝予備能の低下や回復の程度を予測でき, 手術適応の指標となり得ると思われた. また, ICG反復負荷時の肝障害や副作用の発生の有無: 科ついて検討したが, 著変を認めた症例はなく, 安全に行える検査法であると考える.