日本消化器外科学会雑誌
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Cholecystokinin, Secretinと十二指腸内の脂肪の生物学的作用に関する検討
とくにEnterogastroneとの関連において
山岸 健男
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キーワード: オレイン酸
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1980 年 13 巻 3 号 p. 192-198

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抄録
胃瘻と膵瘻を作製したイヌを用いて, 20%cholecystokinin (CCK), puresecretinおよび十二指腸内のオレイン酸の示す膵重炭酸分泌・蛋白分泌・胃酸分泌・胃排出抑制作用を比較検討したが, 十二指腸内の脂肪の示すこれらの生物学的作用はいずれもCCKと小量のsecretinの共働作用によるものとして説明することができた. 一方, これらのイヌにおいて, 十二指腸内にオレイン酸を注入するとpentagastrin刺激胃酸分泌反応は有意に抑制されたが, histamine dihydrochloride刺激胃酸分泌反応は全く抑制されなかった. これらの結果は, 十二指腸内の脂肪によるenterogastrone様の作用の発現にCCKとsecretinが関与している可能性を強く示唆するものであった.
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