日本消化器外科学会雑誌
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十二指腸乳頭部癌切除例の予後因子に関する検討
菅野 千治貝塚 広史岡田 恒良大森 英俊平田 善久吉田 博斉藤 和好森 昌造
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1984 年 17 巻 1 号 p. 35-39

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抄録
乳頭部癌切除例16例を胆道癌取扱い規約に沿ってStage分類し, 予後に及ぼす因子について検討を加え, 以下の結果を得た.
1) Stage I 2例, II7例の9例中5年以上生存は5例にみられ, 予後は良好で, Stage III 6例には5年生存はみられなかった.
2) Stage I, IIには腫瘤形成型が77.8%に, IIIには潰瘍形成型が83.3%と多くみられた.
3) 膵臓浸潤, リンパ節転移は潰瘍形成型に多く, それぞれ60.0%, 80.0%にみられた.
4) 乳頭部癌の予後に及ぼす因子として, 肉眼型では潰瘍形成型, 組織学的には膵臓浸潤とリンパ節転移が重要と思われた.
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