抄録
消化管原発の平滑筋肉腫12例に対し, 癌に準じたR2までのリンパ節郭清を含む治癒切除術を10例に, 非治癒切除を2例に施行した.切除標本所見では腫瘍の管内性発育4例, 管外性発育8例であり, Stage分類を行うと0期1例, I期5例, II期6例となった.術後経過は2ヵ月~9年7ヵ月の間で6例が生存, 6例が腫瘍死した.死亡6例のうち5例はStage IIの進行症例であった.以上, 12例の検討の結果, 消化管平滑筋肉腫は管外性発育を示しやすく腫瘤径の大なるものが多いことがわかった, また予後を推測する上で組織学的分化度を加えたStage分類が有用であると考えられた.