1987 年 20 巻 10 号 p. 2278-2285
SPV後の再発原因となる因子の1つとして交感神経系に着目し, アドレナリン刺激 (静注: 0.5μg/kg/min, 皮下注: 13μg/kg) を実験犬24頭に施行, 血清ガストリン値および胃酸分泌量を測定した. アドレナリン刺激によって門脈血および末梢血血清ガストリン値は刺激前値に比べて, それぞれ最高28.5%, 26.7%上昇した. またSPV後にはさらに最高68.4%, 60.0%上昇した. 胃酸分泌量もSPV後にはコントロール犬に比べて増加した. その結果SPV後にはアドレナリン刺激によって, 酸分泌, ガストリン放出が増大することから, 再発の一因として交感神経系が関与していることが示唆された.