日本消化器外科学会雑誌
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胃切除後骨障害の検討
川上 泰正
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1987 年 20 巻 10 号 p. 2286-2294

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抄録
胃切除後の骨代謝について, 臨床症状ならびに諸検査成績から検討した. その結果, アンケート調査から, 術後2年以内に10%以上のう歯の増加や骨関節痛がみられ, 比較的短期間に骨障害を示唆するデータが得られた. 骨塩量は経年的に低下したが, その他の生化学的検査値には有意な変動はみられなかった. しかし, 骨塩量と25-OH・D3, パラソルモン (PTH), カルチトニン (CT), アルカリフォスファターゼ (ALP), 血清カルシウムとの間には相関がみられ, 特に25-OH・D3, CT, ALP, CT/PTH比はp<0.01, PTHはp<0.05で有意な相関がみられた. なお, ALPとPTHは骨塩量に対し逆の相関であった.
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