日本消化器外科学会雑誌
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20 巻, 10 号
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  • 高木 健太郎
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2261-2268
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    直達手術が施行された肝硬変性食道静脈瘤患者70例を予後不良群と予後良好群の2群に分け, 術前の危険因子につき林の数量化分析二類により解析した. K-IcG<0.06, Ch-E<3,500IU/L, Child分類のC, PSP-15分値<25%が術前危険因子として選択された. この分析による正診率は予後不良群で84.6%, 予後良好群で87.5%と良好な結果が得られた. さらに以上の分析結果からリスク判定基準を作成した. K-ICG<0.06, Ch-E<3,500IU/L, Child分類のC, PSP-15分値<25%のうち, 2項目以上をみたすものをpoor risk, K-ICG≧0.08, Ch-E≧4,500IU/L, Child分類のA, PSP-15分値≧25%のうち, 2項目以上をみたすものをgood riskとした.
  • 馬場 政道, 黒島 一直, 田辺 元, 夏越 祥次, 吉中 平次, 川崎 雄三, 喜入 厚, 牟礼 洋, 福元 俊孝, 松野 正宏, 愛甲 ...
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2269-2277
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胸部食道癌の適切なリンパ節郭清範囲を知るために, 44例にリンホシンチグラフィーを行い食道のリンパ流を検討し, さらに, 両側頸部・上縦隔郭清50例の転移状況と対比した. 胸部上・中部食道癌で頸部, 上・中縦隔, 胃上部リンパ節群, 下部食道癌で下縦隔, 胃上部, 腹腔動脈周囲リンパ節群に高い転移率を認めた. 頸部リンパ節ではNo.104とNo.101の下方, 上縦隔ではNo.106右, 左が転移率, RI uptakeともに高い. 上・中部食道から頸部に至る直結型リンパ流のため, 両側頸部郭清は対側の上縦隔郭清と同じ意義を有し, 下部食道からは, 大動脈周囲リンパ節といえども豊富なリンパ流を認めており, これらの部位の検索と郭清を今後積極的に検討すべきである.
  • 特にアドレナリン刺激の影響について
    和田 大助
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2278-2285
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    SPV後の再発原因となる因子の1つとして交感神経系に着目し, アドレナリン刺激 (静注: 0.5μg/kg/min, 皮下注: 13μg/kg) を実験犬24頭に施行, 血清ガストリン値および胃酸分泌量を測定した. アドレナリン刺激によって門脈血および末梢血血清ガストリン値は刺激前値に比べて, それぞれ最高28.5%, 26.7%上昇した. またSPV後にはさらに最高68.4%, 60.0%上昇した. 胃酸分泌量もSPV後にはコントロール犬に比べて増加した. その結果SPV後にはアドレナリン刺激によって, 酸分泌, ガストリン放出が増大することから, 再発の一因として交感神経系が関与していることが示唆された.
  • 川上 泰正
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2286-2294
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃切除後の骨代謝について, 臨床症状ならびに諸検査成績から検討した. その結果, アンケート調査から, 術後2年以内に10%以上のう歯の増加や骨関節痛がみられ, 比較的短期間に骨障害を示唆するデータが得られた. 骨塩量は経年的に低下したが, その他の生化学的検査値には有意な変動はみられなかった. しかし, 骨塩量と25-OH・D3, パラソルモン (PTH), カルチトニン (CT), アルカリフォスファターゼ (ALP), 血清カルシウムとの間には相関がみられ, 特に25-OH・D3, CT, ALP, CT/PTH比はp<0.01, PTHはp<0.05で有意な相関がみられた. なお, ALPとPTHは骨塩量に対し逆の相関であった.
  • 江端 俊彰, 戸塚 守夫, 長内 宏之, 南田 英俊, 山本 雄治, 平池 則雄, 早坂 滉
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2295-2298
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    昭和50年1月より昭和60年12月までの11年間に手術した胃癌は723例である. そのうち70歳以上の高齢者141例につき, 胃癌手術における侵襲範囲と合併症につき検討した. 併存疾患を有しているものが多く, 70~74歳では49.0%, 75歳以上では69.2%と高率であった. 術後合併症はR2以上のリンパ節郭清を行った症例であり, 70~74歳では肺合併症, 敗血症が多く, 75歳以上では縫合不全, 急性腎不全が多かった. 手術直接死亡は, 70~74歳で4.9%, 75歳以上で7.7%と高率であった. 高齢者胃癌に対しては, 原則的にR2郭清を行っているが, 70歳代では積極的広範切除, 合併切除などの拡大根治術が必要である. しかし, 75歳以上では術前併存症, 手術直接死亡も多いことより, 慎重に対処すべきである.
  • 米村 豊, 沢 敏治, 橋本 哲夫, 嶋 裕一, 杉山 和夫, 西村 元一, 鎌田 徹, 藤村 隆, 三輪 晃一, 宮崎 逸夫
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2299-2304
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌435例の原発巣をPAP法によりCEA, AFP, hCG産生能を検討した. これら癌関連抗原陰性例は21%, CEA陽性74%, AFP陽性7%, hCG陽性19%であった. また1因子陽性59%, 2因子陽性16%, 3因子陽性2%であった. 陽性例では脈管侵襲, リンパ節転移が高度で, 産生因子数が多いほどその傾向は強くなった. Stageでは陰性例でのStage IV22%に対しCEA, AFP, hCG陽性例では, それぞれ38%, 45%, 48%と進行した例が多くみられた. 治癒切除例の予後をみるとStage I, IVでは陰性例と陽性例間に差はないが, Stage II, IIIでは陽性例の予後は不良であった. 以上より胃癌のCEA, AFP, hCG産生能と予後は密接な関係があり, 悪性度を示すparameterの1つになり得ると考えられた.
  • 寺島 雅典, 貝塚 広史, 佐藤 雅夫, 天野 一之, 小高 庸一郎, 森 昌造
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2305-2312
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌切除症例55例に対し, リンパ球サブセットを含む各種免疫パラメーターを測定し, 進行度別, 術前・中・後の推移, PSK投与の有無により比較検討した. 進行度別ではPPD, SuPS, IAP, リンパ球数は進行度を反映したが, リンパ球サブセットには一定の傾向が認められなかった. 術前・中・後の推移では, 術中にOKT4, 4/8比の低下が認められ, 手術侵襲により, ごく早期からリンパ球サブセットの変動が認められた. PSK投与群では, 非投与群に比べ術後3ヵ月ころよりOKT4, 4/8比が上昇し, 術後の免疫能の改善にPSKが促進的に作用しているものと思われた. また, T細胞サブセットの解析は免疫療法の効果判定の1つの指標として有用であると思われた.
  • 近藤 高志, 桜井 秀樹, 松本 文夫, 小出 真, 中川 浩之, 松本 俊彦, 前川 武男, 渡部 洋三
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2313-2316
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌症例34例に経静脈的糖負荷試験を施行し, その成績をstage別, 癌腫の大きさ別に比較検討した. stage別ではstage I, II, III, IVの4群に, また癌腫の大きさ別では早期癌をA群, 進行癌を腫瘍長径が5cm以内をB群, 5~10cmをC群, 10cm以上をD群の4群に分けた. 血糖値はstage III, IVおよびC群がそれぞれstage I, A群にくらべ有意に高値を示した. IRIはC群, D群がA群にくらべ有意に低値を示した. Insulinogenic IndexはC, D群が, ΣIRIはD群がA群にくらべ有意に低値を示した. 以上, stage III以上, 腫瘍径5cm以上の進行癌で耐糖能低下が認められた. この耐糖能低下の原因として癌患者の栄養低下による影響が大きいと考えられた.
  • 鈴木 範男, 酒井 克治, 木下 博明, 広橋 一裕, 山崎 修
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2317-2326
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝切除33例と肝動脈結紮5例の門脈圧を術前後に測定し, その変動の背景因子を検討した.まず術直後の門脈圧が低下するか, またはその上昇率が10%未満のものをI型. 術直後10% 以上の上昇率を示し, 第5病日以降も低下しないものをIII型. その中間型をII型とした. その結果術後の門脈圧は肝硬変併存の有無よりも肝切除率によって大きく変化した. 術後の門脈圧と全身血行動態との間に明らかな関係がみられなかったが, 術後の総ビリルビン値はIII型で漸増し, 脾体積はII, III型で有意に増加していた. また予後不良例の門脈圧上昇率はきわめて高く, すべてIII型を呈した. したがって, 肝切除後の門脈圧測定は予後の予測にきわめて有用である.
  • 北見 義輝
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2327-2335
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    2/3肝切除ラットについて, 切除初期の再生肝における脂質代謝とそれに及ぼす脂肪乳剤 (10m1/kg) 静注の影響を, 血清脂質分析, 肝内脂質分析および新しく考案した組織化学的証明法を用いて, 検討してみた.
    1) 正常またはsham手術ラットに脂肪乳剤を静注しても, 肝への脂肪集積は見られない. 2) 65%肝切除ラットでは, 脂肪乳剤静注3時間で再生肝の肝細胞および類洞内に, 中性脂肪およびcholin含有燐脂質の増加があるが, 総コレステロールは増加しない. 3) 肝切除後生理食塩水を静注したラットでも時間的には遅れるが, 同様の脂肪集積をみとめる. すなわち脂肪乳剤静注は, 再生肝の脂肪集積の開始時期を早める作用を示した.
  • 組織学的門脈内腫瘍栓との関連において
    今岡 真義, 佐々木 洋, 三好 康雄, 石川 治, 大東 弘明, 古河 洋, 小山 博記, 岩永 剛
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2336-2338
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌における根治切除94例について, 肝内再発形式の相異によるTAEの効果について検討した. 94例中46例 (49%) 再発したが, 肝内再発のみは46例中40例 (87%) と大多数を占めた. これら40例中再発形式不明6例を除く34例中, 単数個の再発 (単発) は8例 (24%), 複数個の再発 (多発) は26例 (76%) であった. 組織学的門脈内腫瘍栓陽性13例中12例 (92%) が多発再発例であり, 単発例は僅か1例 (8%) であった. TAEの効果も, 単発例に対しては2年生存率86%であったが, 多発例では36%であった.
    すなわち, 肝細胞癌原発巣の組織学的門脈内腫瘍栓の存在は, 肝切除後多発の肝内再発を示し, TAEの効果が不良であった.
  • 中本 実, 成瀬 勝, 柳沢 暁, 秋田 治之, 高橋 恒夫, 長尾 房大
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2339-2345
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    実質臓器での肝癌の治療成績向上のために術前合併療法の必要性を検討した. 当施設における術前合併療法は, 肝細胞癌にはリピオドール, 化学療法, 肝動脈塞栓術と温熱療法を, 胆管細胞癌には放射線法療を行っている. 肝癌切除後再発率は, 術前合併療法では4/17例, 23.5%であり, 切除のみの群は12/16例, 75.0%と合併療法は良好な結果であった. 生存率に関しても術前合併療法群は5年生存率は61.6%, 切除のみの群では4年生存率37.8%であった. 組織学的変化では, 残存腫瘍細胞の存在がみられなかった症例が4/22例, 18.2%に, 有効例が11/22例, 50.0%にみられ, 合併療法の効果期待がもたれ, 今後積極的に施行すべきと考えた.
  • 桜庭 清, 添野 武彦, 米田 政志, 玉沢 直樹, 牧野 勲
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2346-2349
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃切除後胆石症の成因を探るため, 1) 胃切除前後の胆嚢収縮能 (対象は胃亜全摘7例, 全摘1例), 2) 健常人 (10例) と胃切除後患者 (9例) の胆汁組成の分析を行い比較検討した. 胆嚢最大収縮率は術前58.5±16.5%, 術後37.8±28.3%と有意 (p<0.05) に胃切除後胆嚢収縮能の低下が認められた. 胆汁脂質組成比は健常人が%Bile Acid (BA) 67.7mol%, %Phospholipid (PL) 25.1mol%, %Choles. terol (CH) 7.2mol%で, 胃切除群はおのおの77.9, 15.9, 6.1となり%BAは有意に高く, %PLは有意に低値を示した (p<0.001). 胃切除操作により胆嚢胆汁中ミセルの質的構造変化が生じる可能性が推察された.また, 胃切除後胆石症は胆嚢収縮能の低下による胆汁排泄障害が誘因と考えられた.
  • 内視鏡下バルーンカテーテル胆道充満造影時の臨床的検討
    吉本 英夫, 郭 仁宣, 池田 靖洋, 田中 雅夫, 松本 伸二, 中山 文夫
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2350-2354
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    内視鏡下にバルーンカテーテルを用いた胆道充満造影法を施行する際に, 造影剤の充満圧とcholangiovenous reflux発生との関係を検討した. 検討しえた32例中2例においてballoon ERC後に静脈血培養陽性となり, 胆汁中細菌と同種の菌が検出された. 2例の胆管内圧は30.4cmH2Oと38.0cmH2Oであった. Balloon ERC後の血漿ヨード濃度上昇例の最低胆管充満圧は22.9cmH2Oであり, 22cmH2O未満は10例中0例, 22cmH2O以上30cmH2O未満は9例中5例 (55.6%), 30cmH2O以上は13例中9例 (69.2%) にヨード濃度の上昇をみた. 直接胆道造影施行時の胆管内圧を30cmH2O以下にすれば, 臨床的に比較的安全と思われるが, ヨードアレルギーを有する症例では胆管内圧を22cmH2O以下に抑えるべきと考えられた.
  • 林 池欽
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2355-2364
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    手術および麻酔侵襲の, 胆汁酸動態に及ぼす影響をみるため, 消化器疾患48例の, 手術前後の血清胆汁酸を測定した. 食道静脈瘤離断術では, 術直後に胆汁酸分画は変化せずに血清総胆汁酸 (以下, 総胆汁酸) が平均21.7nmol/ml低下し, 術後3~5日目にコール酸の上昇, グリシン抱合の増加とともに総胆汁酸は再上昇した. 肝硬変併存肝癌切除例では, 総胆汁酸は高値のまま推移し, グリシン抱合が有意に高かった. 消化管切除, 胆嚢摘出例では総胆汁酸の変動はなかった. 肝硬変では, 麻酔導入により紹胆汁酸が平均21.1nmol/ml上昇するが, 胆汁酸分画の変化はなかった. 肝硬変では血清胆汁酸の量的, 質的変動が, 他の病態より大きいことが明かとなった.
  • 金井 道夫, 近藤 成彦, 梛野 正人, 森 光平, 丹野 俊男
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2365-2368
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 朴 一彦, 大塚 光二郎, 小山 芳雄, 鳥居 重彦, 浅野 昌彦, 中岡 譲治, 星山 道夫, 永田 成治, 三浦 克敏
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2369-2372
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 杉谷 通治, 清水 忠典, 佐藤 雅彦, 織畑 道宏, 畑 真, 森脇 稔, 工藤 猛, 鈴木 正明, 渡部 脩
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2373-2376
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 才津 秀樹, 吉田 晃治, 野中 道泰, 浦口 憲一郎, 淵上 量三, 麻生 公, 藤野 隆之, 杉原 茂孝, 神代 正道
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2377-2380
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
  • 大森 吾朗, 若林 久男, 前場 隆志, 田中 聰
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2381-2384
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 竹下 裕隆, 副島 淳一, 岸川 英樹, 山口 幸二
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2385-2388
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 田畑 峯雄, 迫田 晃郎, 田中 貞夫
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2389-2392
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 平岡 武久, 渡辺 栄二, 加藤 哲夫, 林田 信夫, 山崎 謙治, 水谷 純一, 金光 敬一郎, 宮内 好正, 木本 明博, 信岡 博済
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2393-2396
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 原川 伊寿, 蜂須賀 喜多男, 山口 晃弘, 磯谷 正敏, 石橋 宏之, 加藤 純爾, 神田 裕, 松下 昌裕, 小田 高司, 久世 真悟, ...
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2397-2400
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 雅史, 三島 好雄, 今城 眞人, 岡村 孝, 久米 進一郎, 村上 俊穂, 岡安 勲
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2401-2404
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 貞広 荘太郎, 正村 滋, 磯部 陽, 久保内 光一, 大村 敏郎, 山田 良成, 津村 整
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2405-2408
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 柏崎 修, 久保 宏隆, 吉井 修二, 佐々木 龍司, 堀 訓也, 高橋 宣辟
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2409-2412
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    昭和41年から60年までの20年間の消化器外科領域における80歳以上の高齢者147例について, 最近の傾向, 病態の特徴, 手術成績などについて検討するとともに, より安全に手術を行うための術前状態評価の方法, 手術適応決定のための指標について検討を行った.
    80歳以上の症例は最近5年間に急激に増加し, 全体の3.4%を占めている. しかも手術率, 根治手術率も65歳から79歳までの年代層とほぼ同率である. しかし, 手術死亡率, 救急手術死亡率はこれら年代層の2~3倍と高率であるのが現状である. 術後合併症, 手術死亡例をいかに少くするか, 予後判定のよりよい指標としてはprognostic nutritional indexが極めて有用であることが認められた
  • 佐々木 浩, 津村 秀憲, 渡部 洋三
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2413-2416
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    70歳以上の高齢者806例を, 待期・緊急手術別, 期間別, 年齢別の3群に分け, 術前・術後合併症, および死因を検討した. 待期手術例と緊急手術例の術前併存疾患合併率・術後合併症発生率・死亡率は, それぞれ52.7%と78.3%, 36.1%と60.7%, 6.6%と38.0%と緊急手術例が有意に (p<0.01) 予後不良であった. 術後合併症のうち死因で最も多かったのは, 肺疾患の40.4%であった. このため肺疾患を併発することの多い開胸例に対して, 術後レスピレーターによる呼吸管理を行うことにより, 術前肺疾患をもつ症例の術後肺合併症発生率を, I・II期の100%からIII期の37.5%に減少させ, III期においては肺合併症による死亡は皆無となった.
  • 術前リスク評価と手術適応上の問題点について
    田中 乙雄, 武藤 輝一, 佐々木 公一, 鈴木 力, 宮下 薫, 川瀬 忠, 長谷川 正樹, 片柳 憲雄
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2417-2420
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    70歳以上の高齢者胸部食道癌89例について術前リスク評価と術後合併症, 手術成績との関連より手術適応上の問題点について検討した. 術前リスク評価では70歳以上の症例に重要臓器機能の障害を持っているD群の占める割合が高かった. 肺合併症の発生率は70歳以上では69歳以下と比べ有意に高い値をしめし, 特にD群で高率に発生をみた. 術後合併症の発生と在院死亡率との間には相関を認めず70歳以上の群と69歳以下の群でも在院死亡率には有意差を認めなかった. 5年生存率は69歳以下の群と70歳以上の群との間に有意差を認めず, 高齢者といえども慎重な術前後の管理を前提とするならぼ十分手術適応はあると考えられる.
  • 斎藤 貴生, 膳所 憲二, 桑原 亮彦, 宮原 正樹, 下田 勝広, 平尾 悦郎, 小林 迪夫
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2421-2426
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道癌58症例を70歳以上 (24例), 60~69歳 (22例), 59歳以下 (12例) の3群に分け, 術前の全身臓器障害, 生体防御障害および術後合併症について計量的に評価したところ, それらはいずれも70歳以上の高齢者群で最も高度であった. そこで, 術前機能障害と術後合併症の相関係数を求めると, 臓器障害は臓器固有の術後合併症と相関しないのに対し, 生体防御障害は術後合併症と有意に相関し, これは特に高齢者でより明瞭であった. また, 高齢者の術後合併症死の予測は, 生体防御機能によって87.5%になしえたが, 臓器機能では50%にしかなしえなかった. 以上より, 食道癌手術の適応判断, 特に高齢者のそれには, 術前の生体防御障害への配慮が必要と考えられた.
  • 羽生 丕, 鴻野 雅司, 谷 雅夫, 本田 徹, 斉藤 直也, 佐藤 康, 竹下 公矢, 砂川 正勝, 遠藤 光夫
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2427-2430
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    70歳以上の高齢者胃癌に対する手術適応を再検討するために, 高齢者胃癌切除例139例の手術成績を69歳以下の709例と比較し, 以下の結論を得た. 1) 高齢者の合併症発生率 (29%), 直死率 (4%) や5生率 (47%) は69歳以下の症例と比べて遜色なく, 高齢を理由に手術適応を狭める必要はない. 2) 高齢者の非治癒切除例では合併症発生率 (41%) や直死率 (8%) は高く, 予後は不良であった. 根治性のない症例に過大な侵襲を加えることは避けるべきである. 3) 患者の暦年齢や術前の検査データは, 手術の危険性を予測する上であまり参考にならなかった. 4) 術後のQuality of lifeには問題が多く, きめ細かいアフター・ケアーが必要である.
  • 森田 隆幸, 橋爪 正, 今 充, 松浦 和博, 山中 祐治, 小野 慶一
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2431-2434
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    和50年から60年までの大腸癌初回手術491例中, 70歳以上の高齢者は102例, 20.8%であった. 組織学的に高分化型腺癌が多く, stage I, II症例が49%を占め, 治癒切除例の累積5生率72.8%, 相対5生率75.5%と非高齢者と遜色ない手術成績が得られた. 直腸癌手術では排尿・排便に関する慎重な配慮が必要であるが, 高齢者大腸癌の手術適応とし, 生活意欲があり普通の生活をしている限り年齢自体での手術適応の制限はないと判断され, 根治性を計った標準術式の採用により良好な成績が得られると考えられた. また, riskの高い重症例でも麻酔法の工夫により原発巣切除を試みれば愁訴もとれ延命効果も期待できることが知られた.
  • 大久保 靖, 嘉和 知靖之, 今城 真人, 岩間 毅夫, 八重樫 寛治, 平山 廉三, 三島 好雄
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2435-2438
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去10年間の大腸癌患者280例を70歳以上の高齢者群67例 (24%) と70歳未満の非高齢者群213例 (76%) とに分けて, 臨床病理学的特徴, 合併症および予後の面から検討した.
    臨床病理学的には非高齢者群でリンパ節転移をきたすものが多く認められたが, ほかには差がなかった.合併症では, 術前合併疾患を有する率が高齢者群で39例 (58.2%) と有意に高く, またそのような例では術後にも合併症を発生する率が高かった.予後においては両群間に差はなく, また術後合併症の有無による差もなかった.以上より, 高齢者といえども積極的に根治術を行い, 術後の合併症に対しても積極的に治療することにより, 良好な予後がえられると結論された.
  • 三浦 誠司, 大瀧 和彦, 宮川 貞昭, 四方 淳一
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2439-2442
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    消化器外科手術後多臓器障害 (multiple organ failure;MOF) 34例について発生要因, 経過を分析し, その予知と早期対策の可能性を検討した. 肺不全初発例が大半を占め, 原疾患の臓器は食道, 胃, 小腸, 大腸で, 誘因は腹膜炎, 縫合不全, 肺炎, 創膿瘍などの感染が多く, 第2不全臓器は心が多かった. 肝不全初発例は原疾患は肝・胆道・膵が多く, 誘因は感染に次いで大量出血も多くみられ, 第2不全臓器は肺が多かった. 死亡例のうち腹膜炎, ショック例, 65歳以上の症例は有意に経過が早かった. 肺不全, 凝固不全の予知にはおのおのPaO2, 血小板数の早期低下が有用と思われた. 食道癌, 胃癌術後の縫合不全発生例で, 術後にpersistent endotoxemiaがみられ, 感染巣の存在を早期に疑う一助となった.
  • 小島 治, 川上 定男, 堀江 弘, 上原 泰夫, 間島 孝, 山根 哲郎, 藤田 佳宏, 高橋 俊雄
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2443-2446
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    消化器外科術後の重症感染症例49例中に28例にmultiple organ failure (MOF) を認め, 死亡率は75%と予後不良であった. MOFは大腸, 肝・胆道疾患に好発した. 手術部位により好発不全臓器を認め, 不全臓器数が増すにつれ, 予後不良であった. 肺は初発臓器の54%を占め, 呼吸不全に注意すべきである. 白血球数・栓球数の減少と低血圧が臓器不全の前に発生することがある. MOFに対し, 臓器に応じた集中治療と, 重症感染源の除去がさらに必要である.
  • 本島 悌司, 鍋谷 欣市, 小野沢 君夫
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2447-2450
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    道癌切除200例のうち術後多臓器障害 (multiple organ failure;MOFと略す) が29例 (14.5%) にみられ, その死亡率は75.9%であった. 切除術後はMOFの準備状態下にあるといってもよく, 低酸素血症の増悪, 術後出血, 感染源の存在はMOFに陥入らせる重要な因子である. MOF発生例には, 術前耐糖能の異常や肝機能障害や呼吸機能障害や血小板減少が有意に高率にみられた. またMOF発生例には術前PHA幼若化能の低下もみられ, MOF非発生例よりもやや高年齢であった. これらのことを知っておくことと同時に, 再建臓器を頸部まで挙上しておくがあえて吻合しない手術術式の工夫などはともにMOF発症の予知となり, 予防となるものと思われる.
  • 真辺 忠夫, 大塩 学而, 野中 敦, 平野 鉄也, 記井 英治, 戸部 隆吉
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2451-2454
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    多臓器障害 (multiple organ failure;MOF) は手術症例の2.8%(85/3,027) にみられたが, このうち43.5%(37例) に胃出血がみられ, 肝障害に続発すること (19/37, 51.4%) が多かった. 胃出血例では肝不全, 腎不全, 肺不全, disseminated intravascular coagulation (DIC) を併発し, その予後は極めて不良であった. 実験的肝障害家兎ではstressによる胃血流低下が遷延し, 防御因子の低下がMOFの胃出血の原因と考えられた. H2拮抗剤の予防的投与はMOFにおける胃病変の発生を抑制すると考えられることから胃出血に対しては予防的対策が重要と考えられた.
  • 山本 正之, 井上 慎吾, 飯村 譲, 長堀 薫, 藤井 秀樹, 青山 英久, 大盛 芳路, 松本 由朗, 菅原 克彦
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2455-2459
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    待機的開腹術後肝不全 (T. Bil>lomg/dl) よりMOFへ移行した25例の病因は, A) 術中の肝血流障害, 出血性ショック, B) 術後胸腔または腹腔内に感染源があり遷延する発熱を伴う時にわけられ, 生体防御機構に障害があるとみなせる症例であった. A) 群ではB) 群より早期に, 意識障害, 腎不全に陥りやすく, B) 群では胸水貯留または腹腔内感染による発熱と緩徐なT. Bilの10mg/dlまでの上昇後黄疸は急速に増強するが, 意識障害, 腎不全の発現は遅い. 両群とも最終臨床像は消化管出血, 血液凝固不全である. 現時点では効果の確実な肝補助装置はなく, ケトン体比の経日的観察やプロトロンビン活性値の急低下によって膿瘍の発生を予知し, 発見除去に努める事が肝不全を防ぐ手段である.
  • 江端 俊彰, 南田 英俊, 後藤 幸夫, 東 薫, 平池 則雄, 山本 雄治, 鳥本 勝司, 戸塚 守夫, 早坂 滉
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2460-2463
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    消化器外科における合併症として多臓器障害 (multiple organ failure: MOF) があるが, そのうちの肝不全につき病態と治療法につき臨床例と動物実験による成績を検討した. 昭和50年1月より昭和61年12月までの12年間で, 当科での開腹術4, 188例中, MOFは48例, 1.15%であった. そのうち肝不全は25例で, 50~69歳に多く, 72%の死亡率であった. 肝不全と合併する他の臓器障害では腎不全を合併する症例が72%と高率に認められた. 重症感染症より肝不全に陥る実験モデルでは, 肝細胞において解糖系の亢進, 糖新生系の低下がみられた. 肝不全の治療は, 栄養補給, グルカゴン・インシュリン療法, ステロイドの投与, 血漿交換療法を行っているが, 感染, エンドトキシンの対策も重要である.
  • 総合的治療法の意義
    望月 英隆, 初瀬 一夫, 西田 正之, 吉村 一克, 玉熊 正悦
    1987 年 20 巻 10 号 p. 2464-2467
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    開腹手術症例4, 430例のうち術後に多臓器障害 (multiple organ failure; MOF) を合併した85例を対象にその発症要因と発症の特徴を分析した結果, 対応策として救急手術や大侵襲手術後の予防的臓器管理, 早期の感染巣発見と誘導術, 細菌性因子の除去, 播種性血管内凝固 (disseminated intravascularcoagulation; DIC) 対策, 栄養管理などを総合的に行うことの必要性が示された. このような総合的対策を駆使している1984年以降のMOF救命率は特に3臓器障害以下で40%とそれ以前に比べて明らかに良好であり, 本対応策の有効性が示された. しかし術後MOFの発生率にはいまだ満足すべき改善はなく (2.04%→1.53%), MOF全体の死亡率 (最近でも68.7%) も依然高率であった. 本症の治療成績のさらなる向上のためには新しい対策が必要であることを強調した.
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