日本消化器外科学会雑誌
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胃癌における癌関連抗原発現様式と予後
米村 豊沢 敏治橋本 哲夫嶋 裕一杉山 和夫西村 元一鎌田 徹藤村 隆三輪 晃一宮崎 逸夫
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キーワード: 胃癌悪性度
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1987 年 20 巻 10 号 p. 2299-2304

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抄録
胃癌435例の原発巣をPAP法によりCEA, AFP, hCG産生能を検討した. これら癌関連抗原陰性例は21%, CEA陽性74%, AFP陽性7%, hCG陽性19%であった. また1因子陽性59%, 2因子陽性16%, 3因子陽性2%であった. 陽性例では脈管侵襲, リンパ節転移が高度で, 産生因子数が多いほどその傾向は強くなった. Stageでは陰性例でのStage IV22%に対しCEA, AFP, hCG陽性例では, それぞれ38%, 45%, 48%と進行した例が多くみられた. 治癒切除例の予後をみるとStage I, IVでは陰性例と陽性例間に差はないが, Stage II, IIIでは陽性例の予後は不良であった. 以上より胃癌のCEA, AFP, hCG産生能と予後は密接な関係があり, 悪性度を示すparameterの1つになり得ると考えられた.
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