日本消化器外科学会雑誌
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80歳以上の高齢者胃癌症例の検討
左野 千秋神代 龍之介内藤 英明平林 雅彦前川 隆文蒲池 寿酒井 憲見犬塚 貞光
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キーワード: 高齢者胃癌
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1988 年 21 巻 8 号 p. 2090-2093

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抄録

当科で経験した80歳以上の高齢者胃癌28例に対して検討を行った. 男性に多く, 胃下部に限局する高分化型腺癌が多かった. 手術直接死亡例はなく, 術後合併症は40.8%にみられた. 切除率は88.9%であり治癒切除率は40.7%であった. 治癒切除群の5年生存率は68.6%であり非治癒切除群の5年生存率は0%であった. 両群の5年生存率において推計学. 有意差が認められた (p<0.01). もし胃癌取扱い規約でいうR2の郭清を行えば62.5%が治癒切除術となり予後の改善が期待された. 以上より80歳以上の高齢者胃癌においては, できるだけR2郭清を行う必要があることが示唆された.

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