1989 年 22 巻 5 号 p. 1078-1083
原発性肝内結石症と考えられる肝内型 (I型) 63例, 肝内外型で肝内優位型 (IE型) 16例の計79例にcomputed tomography (CT) を施行した. CT所見としては肝葉萎縮46例 (58.2%), 肝内胆管拡張50例 (63.3%), 結石の石灰化70例 (88.6%) がみられた. 肝葉萎縮を重視し, I型からV型までの原発性肝内結石症分類を試みた. その結果, 肝葉萎縮・肝内胆管拡張ともにはっきりしない群 (I型) と高度の肝葉萎縮と肝内胆管拡張のみられる群 (V型) およびその中間群 (II・III・IV型) に分けることができた. 治療法としては肝葉萎縮の無い群のI型は経過観察. II型は肝温存術を, 肝葉萎縮群 (III・IV・V型) は肝切除術を第1選択にすべきと考える.