日本消化器外科学会雑誌
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イヌ膵十二指腸移植法モデルを用いたciclosporinならびに免疫抑制剤FK506の検討
佐藤 光史今井 潔松井 健杉野 三千男中山 義介瀧島 常雅吉田 宗紀刑部 恒男三重野 寛吾大宮 東生比企 能樹柿田 章
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1991 年 24 巻 10 号 p. 2530-2535

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抄録
雑種成犬42頭を用い膵十二指腸移植同種移植を行い, 膵十二指腸移植に対する免疫抑制剤Ciclosporin (CsA), FK506 (FK) の効果につき検討し, 以下の結果を得た.
1) 生存日数は免疫抑制剤非投与群では8~14日, 平均12.1±1.1日 (M±SE), CsA投与群は26~185日, 平均81.3±14.1日, FK投与群は22~79日, 平均53.2±10.2日であり, CsAならびにFK投与群で免疫抑制剤非投与群と比較し有意に生存日数の延長がみられた.
2) FK投与群では, 食欲不振, 嘔吐などの消化器症状が著明にみられた.
3) 各群の死因は免疫抑制剤非投与群は全例急性拒絶反応であり, CsA投与群は2頭が急性拒絶反応, 8頭が慢性拒絶反応であり, FK投与群は2頭が急性拒絶反応, 4頭が慢性拒絶反応であった.
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