日本消化器外科学会雑誌
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右心房に腫瘍栓を有する肝細胞癌に対して体外循環下に肝切除と腫瘍栓除去を行った1例
都築 俊治川田 光三上田 政和高橋 伸中安 邦夫石井 裕正平松 京一田代 征夫
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1991 年 24 巻 8 号 p. 2236-2240

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抄録
肝静脈から右心房にわたる腫瘍栓を有する肝細胞癌は切除不能と考えられ, 患者は短時日の間に死亡するのが常であった. これらの患者を手術するためには, 体外循環下に肝切除と腫瘍栓の除去を行わなければならないが, 種々の困難な問題がある. 左葉内側区域に直径4cmの腫瘍を有する57歳の男性の肝硬変併存肝細胞癌患者に中肝静脈から右心房に及ぶ腫瘍栓が発見された. 体外循環下に左葉内側区域と右葉前区域の一部切除とともに腫瘍栓の除去が行われた. 患者は術後経過良好で退院したが, 残存肝の再発のため術後5か月で死亡した. このような手術が可能であることが判明したが, 今後の問題は長期生存例が得られるか否かである.
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