1992 年 25 巻 8 号 p. 2228-2231
症例は67歳男性で, 画像診断および大腸内視鏡検査による生検で盲腸から上行結腸におよぶ大腸原発悪性リンパ腫と診断された.初回手術時, 周辺臓器への浸潤のため切除不能であったため, adriamycine動注を併用したcyclophosphamide, adriamycine, vincristine, prednisolone療法を行い, 腫瘍の著明な縮小がえられた.残存腫瘍を除去する目的で再手術を行い右半結腸切除を行うことが可能であった.組織学的にはLymphoma study group分類のdiffuse medium sizedcell type lymphomaで, そのcellsurfacemarkerは抗B cell陽性であった.切除不能症例にたいして化学療法を行い, 腫瘍の縮小がえられた段階で残存腫瘍を切除する方法は有用と考えられた.