日本消化器外科学会雑誌
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胆道内瘻術におけるmetallic stentの意義
岡本 友好柳沢 暁稲垣 芳則椎野 豊高橋 恒夫青木 照明岩淵 秀一池内 準次
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1993 年 26 巻 10 号 p. 2410-2415

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抄録

Metallic stentを使用した非観血的胆道内慶術を14例の閉塞性黄疸症例 (際癌5例, 胆管癌5例, 胆管細胞癌1例, 良性狭窄2例, その他1例) に対して行い, その成績および従来の内慶, 外痩術と比較検討した.Metallic stent留置術の平均年齢は71歳, 男女比は10: 4であった.留置後の観察期間は1週から65週であった.留置後, 外痩チューブ抜去率は79%であった.再開塞率は29%であった.無黄痘経過率は生存例で75%, 死亡例で67%, 全体では71%であった.合併症は2例に認められたが重篤なものはなかった.本法を施行した悪性例12例と外慶チューブのみ留置29例, 開腹内痩術施行12例を比較すると平均生存期間, 無黄痘経過率はそれぞれ27週, 13週, 31週, 71%, 100%, 92%であった.以上, 本法は再閉塞などの問題はあるが手術に比べ非侵襲的で外痩チューブ留置に比べquality of lifeが向上し, 胆道内慶術として有用であると考えられた.

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