日本消化器外科学会雑誌
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血清neopterin値と消化器担癌患者のperformance statusとの関係についての検討
岩垣 博巳日伝 晶夫田中 紀章折田 薫三
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1993 年 26 巻 10 号 p. 2433-2438

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抄録

Neopterin (以下NP) は今日細胞性免疫能の指標になるとされている.消化器担癌患者の非治癒切除・切除不能症例28症例66検体を対象とし, 血清中のNPを測定, performance status (PS) との関係について検討した.対象群は健常成人10症例10検体を用いた.PS3, 4の血清中のNP値は平均 (Mean±SD) 24.7±4.7pmol/ml, PS1, 2は8.9±1.0pmol/mlであった.対照群である健常成人は3.7±1.2pmol/mlで, PS3, 4のNP値はPS1, 2, 健常人に比し有意に (p<0.01) 高値であった.また同時測定したcarcinoembryonic antigen (CEA), carbohydrate antigen (CA19-9), C reactive protein (CRP), immunosuppressive acidic protein (IAP) との間で線回帰分析を行ったところ, CEAとの間では相関は認められなかったが, CRP, IAP, CAI9-9との間では有意な (p<0.05) 相関が認められた.今回の検討で血清NP値は担癌による重症度を反映する指標として有用であると思われた.

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