日本消化器外科学会雑誌
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膵分節切除術および尾側膵空腸吻合術を施行したインスリノーマの1例
天野 穂高蜂巣 忠一瀬 雅典鈴木 孝雄大森 耕一郎柏原 英彦横山 健郎
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1993 年 26 巻 10 号 p. 2469-2472

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抄録

症例は73歳の女性で低血糖発作を主訴に来院した.臨床所見および内分泌学的検査でインスリノーマが疑われた.血管造影, dynamic computed tomographyで腫瘤は約1.0cmの濃染像として描出され, その局在部位は胃十二指腸動脈と上腸間膜静脈の間であった.術中超音波検査ではhypoechogenicな腫瘤像として描出され, 主膵管と接するように存在していた.以上の所見より手術は膵管損傷の危険性, 残膵機能の温存を考慮し, 膵分節切除術および尾側膵空腸Roux-Y吻合術 (Letton&Wilson法) を施行した.術後経過は良好であり, 腫瘍の局在によっては考慮すべき1術式と考えられた.

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