日本消化器外科学会雑誌
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妊娠時に発症した高脂血症による急性膵炎の1例
大月 和宣山本 義一丸山 達興巴 雅弘関 幸雄
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1993 年 26 巻 10 号 p. 2473-2477

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抄録

症例は32歳の女性, 1妊0産.妊娠35週に心窩部痛を主訴とし来院.血中アミラーゼ360IU/l, 尿中アミラーゼ4,800IU/l, トリグリセリド7,533mg/dlより妊娠, 高脂血症を合併した急性膵炎と診断.帝王切開および膵ドレナージ術を施行し, 経過良好にて退院した.
妊娠に伴う急性膵炎の本邦報告例78例について検討した.分娩歴では経産婦に多く, 発症時期では妊娠後期に65.7%発症した.経過は帝王切開などによる妊娠中断例が多く, 児の死亡率は32.8%と予後不良であった.妊婦の死亡率は11.9%で, 予後不良例は高脂血症合併例に多くみられ, 妊娠に伴う膵炎で特に高脂血症合併例では保存的療法よりも帝王切開などによる観血的療法が予後は良好であった.

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