早期大腸癌の治療方針を明らかにするために, 早期大腸癌157例 (m癌81例, sm癌76例) を対象に, 術前深達度診断・治療法・リンパ節転移の面から外科の立場で検討した.超音波検査を施行した51例の術前深達度正診率は76.5%と最も高く, 術前に深達度診断を行う上で, 超音波検査が最も有用であった.また, 危険因子別にリンパ節転移率をみると, 深達度 (sm2以上): 18.0%, 腺腫成分併存無し;30.8%, リンパ管侵襲陽性: 39.1%, budding陽性;40.9%, 中・低分化型腺癌;55.6%とリンパ節転移を予測する上でこれらは重要な因子であることが示唆された.