日本消化器外科学会雑誌
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脾原発inflammatory pseudotumorの1例
斉藤 功渡辺 健一高橋 周作米山 重人福島 剛中野 詩朗松下 通明内野 純一
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1995 年 28 巻 12 号 p. 2299-2303

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抄録

症例は69歳の男性.脳梗塞の既往があり, 定期検査でアミラーゼ高値の指摘を受け精査目的に入院.超音波検査にて脾門部に直径39mmの低エコー腫瘍が認められた.CT検査では, 単純CTにて脾臓の辺縁にやや不鮮明な低吸収域が存在し, 造影CTでは腫瘍部はほとんどenhanceされなかった.dynamic CTでは腫瘍部はhypovascular, delayed enhancementを認めた.MRI検査で, 腫瘍はT1強調画像でhigh signal intensity area, T2強調画像でlow signal intensity areaとして認められた.Gadrinium-DTPAのdynamic studyはlatephaseでenhancementを認めた.血管造影では, 明らかな腫瘍濃染は認めなかった.以上より, 脾血管腫, 過誤腫などを強く疑うも, 悪性リンパ腫なども否定できず, 手術を施行した.摘出脾内には, 3.8×3.5cmの白色隆起性病変を認めた.病理診断は, 脾原発innammatory pseudotumorであった.

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