日本消化器外科学会雑誌
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Crohn病外科治療の最近の進歩
佐々木 巌舟山 裕士内藤 広郎福島 浩平椎葉 健一松野 正紀
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2000 年 33 巻 1 号 p. 107-112

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抄録
Crohn病は依然として原因不明の難病である. 本邦では最近の症例数の急増から多彩な合併症が欧米並に経験されるようになり, 外科治療は今日多くの課題を抱えるに至っている. 外科治療の目的は, 本病が全消化管に発生しうる疾患であることから合併症に対し外科的侵襲を加え患者のQOLを改善することにある. 外科治療の適応は, 絶対的適応と相対的適応とに分かれるが, 狭窄による通過障害が最も多い. 手術療法は, 病変の小範囲切除術および狭窄形成術が推奨される. 腹腔鏡補助下手術も行われつつある. 個々の病変に対する術式選択には術者の経験が必要であるが, 著者らは開腹寺の病変所見を6つに分類して新しい狭窄形成術も加え術式を選択している. 現在, Crohn病外科治療のオプションにはさまざまなものがあり, 実際の診療では個々の症例にあった治療法を選択し患者のQOLの向上を計ることが重要である.
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