日本消化器外科学会雑誌
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子宮癌放射線治療後に発生した直腸癌の5例
塩谷 猛橋口 陽二郎大倉 康男関根 毅
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2000 年 33 巻 11 号 p. 1854-1858

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抄録

骨盤内照射により大腸癌発生のリスクが高くなることが報告されている. 今回, 子宮癌に対する放射線治療後に発生した直腸癌5例を経験したので報告する. 平均年齢は70歳 (64~77歳) で, 放射線照射から直腸手術までの経過時間は12.9年 (5~25年) であった. 全例に放射線直腸炎と思われる変化が認められ, 4例は臨床症状を呈していた. 5例中1例は高分化腺癌, 4例は中分化腺癌であった. 病理組織学的には, 進行癌4例の癌病巣は, 共通して深掘れの陥凹を呈し, 表面に血液成分の豊富な壊死組織の付着が目立つ特徴が認められた. 3例は術後2年以内に死亡しており, 予後不良であった. 消化管の放射線障害例については, 照射後5年以上経過してから放射線誘発癌の発症を認めることがあり, 長期にわたる追跡が必要である.

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