日本消化器外科学会雑誌
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総胆管切開切石術におけるCチューブの有用性の検討
川崎 亮輔森田 高行藤田 美芳宮坂 祐司仙丸 直人加藤 紘之
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2002 年 35 巻 5 号 p. 571-574

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抄録
経胆嚢管的ドレナージチューブ (以下, Cチューブと略記) の有用性を検討するため, 合併症, チューブ留置期間につきTチューブと比較検討を行った.対象は総胆管結石症例110例で, Tチューブドレナージ施行例, Cチューブドレナージ施行例ともに55例である.結果としてチューブ抜去後の限局性腹膜炎はTチューブ群の10例 (18.2%) に対し, Cチューブ群では1例も認められなかった (p<0.01). チューブ留置期間はTチューブ群で平均24.2日, Cチューブ群で平均6.2日とCチューブ群で有意に短かった (p<0.01). 遺残結石はTチューブ群では2例 (3.6%) に認められたが, いずれも内視鏡的に治療せしめた. Cチューブ群では現在のところ1例も経験していない. 以上よりCチューブは抜去後の胆汁漏が少ないという点で安全であり, かつドレナージ期間短縮につながる有用な方法であると考えられた.
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