2003 年 13 巻 p. 71-106
保健医療支出は、医療政策における根幹となる情報であり、その推計手法の国際標準としてOECDより「A System of Health Accounts」(SHA)が発表された。われわれはSHAに準拠した日本の保健医療支出の推計方法を開発し、その手法を用いて1995年から1999年度まで日本の総保健医療支出について推計を行った。総保健医療支出は、1995年度の33兆7454億円から1999年度に約3兆0114億円に増加し、国民医療費は総保健医療支出に対して約80%から81.5%を占めていた。この推計手法を確立したことにより、保健医療支出の国際比較可能性の向上が図られたとともに、政策評価の可能性を高める医療統計を提供できたと考えられる。医療費支出は医療改革における根幹となる情報であり、今後とも医療費支出の多岐にわたる分析を踏まえた医療制度改革の方向性を検討していくため、医療費支出に関する継続的な研究が望まれる。