1995 年 2 巻 p. 71-81
本研究では、わが国で過去に報告された医薬品経済評価論文を収集し、体系的なレビューを試みた。文献収集は、医学文献データベース等を用いて行い、10文献が収集された。レビュ一項目は、医療技術経済評価に関する文献および教科書がオーストラリア・カナダ・英国・米国における医薬品経済評価ガイドライン等を参考に決定した。今回の分析結果を米国における医療技術経済評価論文のレビュー結果と比較したところ、1項目については米国と同様の問題が存在していたが、他の2項目については米国よりも結果が優れていた。また、今回収集した論文の大部分において、「分析視点の明確化」や「割引率の感度分析」といった、医薬品経済評価研究において重要な項目のいくつかが欠如していることが明らかとなった。