保健・医療資源の配分、とくに最終的に誰に配分するか、といった臨床現場レベルでの資源配分は、医療技術の高度化等に伴う保健・医療資源の相対的な稀少化(例えば、移植するための臓器)の進展や資源配分の効率化の進展により、今後その「公正さ」が問題になる可能性がある。そこで資源配分の公正さに関し、一般住民と医療従事者の選好調査を行った。えられた主な結果は次の通りである。
①全体としては、「平等」な配分に対する受容性が幅広くみられた。②一方、功利主義的考え方の受容性も一部みられた。その傾向は、保健医療サービスの種類としては、生死に直接関係のない医療よりも、むしろ生死に関係する医療でみられた。③また、配分基準としては「年齢(高齢者よりも若年者を優先)」および「家庭内役割(親の介護、育児等の役割を有している人を優先)」の2つが導かれた。④「社会的地位」「職業」「社会貢献度(ボランティア)」等は資源配分の基準としての受容性が低かった。