1999 年 5 巻 p. 31-47
現在、厚生省は西暦2000年における診療報酬、薬価制度等の医療の抜本改正を検討しており、このうち歯科医療に関しては主要な技術である歯科補綴等の新たな視点によるテクノ口ジーアセスメン卜が重要になる。
本稿は、我が国における補綴技術に関するテクノ口ジーアセスメン卜の要点を探ることを目的として、1993年厚生省歯科疾患実態調査、社会医療診療行為別調査を用いて医療経済学的視点から解析を試みたものである。
その結果、国民のブリッジ、義歯は装着後いずれも長期間維持されてはおらず再製作に至る場合が多く、歯科医療費の増大を招く要因になっていることが示唆された。
そこで今後の抜本的な歯科診療報酬改定に際しては、これまでの歯科保険医療評価の盲点になっている補綴物の長期維持管理(長持ち)を重視した評価が重要との結論を得た。