頭頸部癌
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頸部・甲状腺
頸部リンパ節転移を認めた原発不明悪性黒色腫の2例
米澤 宏一郎森本 浩一山下 大介谷本 均齋藤 幹大月 直樹清田 尚臣佐々木 良平丹生 健一
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2013 年 39 巻 1 号 p. 72-76

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抄録
原発不明癌頸部リンパ節転移の約80%が扁平上皮癌であり,悪性黒色腫の頻度は0.9%と非常に稀である。今回我々は頸部リンパ節のみに転移を認めた原発不明悪性黒色腫の2症例を経験した。
症例1は72歳男性。2005年9月に左顎下部腫瘤を主訴に来院し,同部よりの穿刺吸引細胞診で悪性黒色腫の診断が得られた。原発巣は明らかでなく,左頸部郭清術を行った。転移リンパ節は1個であったが節外浸潤を認めたため,術後化学療法としてDAV(Dacarbazine,Nimustine,Vincristine)を8コース施行した。現在術後6年経過し,再発・転移を認めない。
症例2は61歳男性。症例1と同様に原発不明悪性黒色腫の診断で左頸部郭清術を行った。多発リンパ節転移と節外浸潤を認めたため,術後にDAVを8コース施行した。現在術後2年経過し,再発・転移を認めない。
原発不明悪性黒色腫に対する転移リンパ節領域郭清術後の放射線療法,化学療法は予後に影響しないとの報告もあり,その有用性は未だ結論が得られていない。しかし,今回の2例は節外浸潤や多発リンパ節転移などの予後不良因子があったが,良好な結果が得られており,術後化学療法の有効性が示唆された。
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© 2013 日本頭頸部癌学会
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