薬史学雑誌
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20 世紀末までの 医薬・農薬に関わる日本の有機化学研究史 その 1:1800 年代から 1900 年までに誕生した有機化学の建設者
松本 和男村岡 修中川 好秋中辻 慎一
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2021 年 56 巻 1 号 p. 13-24

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抄録
西洋の近代化学が本格的に日本(長崎)に入ってきたのは江戸年代の終盤から明治時代の初期であった.その後,選ばれた優秀な学生がドイツを軸に欧米の大学に留学して,西洋の有機化学を学んだ.帰国後,西洋化学の単なる模倣でなく,日本で独創的な有機化学の基礎を築いてきた.まさに,有機化学の建設者と言える. 同時期に政府も大学制度などを段階的に体系化して,有機化学を学問として発展させてきた.それらが今日の日本の国際競争力のある医薬品,農薬産業の土台となった.本稿では,1900 年までに誕生した有機化学の建設者(先駆者)及び後継者が歩んできた経緯と業績を解説する.
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© 2021 日本薬史学会
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