2018 年 39 巻 p. 16-21
背景・目的 温泉療法は、酸化ストレスに関連する疾患の症状を改善する効果がある。そのため、温泉には酸化ストレスを制御する作用があることが推測される。このことから、本研究では、in vivoにおいて酸化ストレスを定量化できる実験方法により、10種類の泉質が酸化ストレスに与える影響を検討した。
方法 10種類の泉質に、酸化ストレスを誘導したマウスを25℃および41℃の温度条件で10分間入浴した。これを24時間間隔で合計3回行った後、in vivoイメージングにより酸化ストレスを検出し、温熱と泉質が酸化ストレスに与える影響を評価した。
結果 温熱によって誘導されたHSP72は、酸化ストレス抑制効果がある可能性に加え、硫黄泉(硫化水素型)は酸化ストレス抑制効果、単純放射能泉は酸化ストレス誘導効果があることが示唆された。
考察 硫黄泉(硫化水素型)の酸化ストレス抑制効果は、硫化水素とHSP72を介する抗酸化酵素の相互作用によることが推測される。その一方で、単純放射能泉の酸化ストレス誘導効果は、ラドンがROSを生成することに起因すると考える。