日本健康開発雑誌
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原著論文
直腸性便秘に対する看護実践の介護保険施設間の比較
内藤 智義倉田 貞美牧野 公美子中村 美詠子岡田 栄作尾島 俊之
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2019 年 40 巻 p. 14-21

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抄録

背景・目的 介護保険施設における直腸性便秘に対する看護実践の現状はほとんど明らかにされていない。本研究の目的は、介護保険施設における直腸性便秘に対する看護実践の現状を明確にし、3種類の施設間の看護実践を比較することで、その特徴や課題について検討することである。

方法 静岡県の介護保険施設(特別養護老人ホーム:特養、介護老人保健施設:老健、介護療養型施設:療養型)に勤務する看護師753名を対象に、郵送法による自記式質問紙調査を行った。回収された調査票は336名 ( 回収率44.6%) で、全て分析対象とした。調査項目「直腸性便秘に対する看護実践」は、観察、分析、実施、評価に関する29項目であった。直腸性便秘の看護実践について3種類の施設間に差があるかをχ2検定で比較した。

結果 特養では、〈観察・把握〉の項目にある「排泄された便を観察する」「直腸内や肛門内に便が残留しているか観察する」の実践割合が、他施設と比較して相対的に低く有意差を示した。老健では、〈実施〉の項目にある「オムツでの排泄ではなく、トイレやポータブルトイレでの排便を促す」「便意を感じた時に、優先してすぐに排便できる状況にする」「対象に合った排便パターンから、排便誘導を促す」の実践割合が、他施設と比較して相対的に高く有意差を示した。療養型では、「医師から処方された下剤を内服してもらう」「浣腸を実施する」「摘便を実施する」の実践が8~9割と高く他施設と比較して有意差を示した。

考察 3種類の施設間の比較により、直腸性便秘に対する看護実践には差が認められた。その要因としては、入所者の平均要介護度や職種の人員配置基準が異なることが考えられた。この結果からは、各施設の種別に応じて直腸性便秘に対する看護実践を促進する必要性について示唆された。

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