日本健康開発雑誌
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助成研究
蒸しタオルを利用した簡便な温冷交互刺激と組み合わせた日本人のための気候療法プログラム
金山 ひとみ平井 一芳井上 博行佐藤 一博
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2019 年 40 巻 p. 74-89

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抄録

背景・目的 ドイツ・ミュンヘン大学の気候療法に基づき、日本人向け気候療法プログラムを用いた研究を行ってきた。その結果に基づき、冷えの訴えのある人のために作成した温冷交互刺激を取り入れた気候療法プログラム実施前後で深部体温、体力および、持久力を比較することを目的とした。

方法 鹿児島県奄美市で冷えを自覚する参加者を募集し、地形療法コースを利用して冬季に2ヶ月間の気候療法プログラムを実施した。温冷交互刺激の施行方法についてプログラム開始前に実演説明を行い、各自自宅で毎日、肩甲部と腰部に蒸しタオルを当て、完全に冷たくなるまで放置するよう指示した。プログラム前後に腋窩温の測定を含む体格・体力測定、およびアンケートを実施した。

結果 開始前体力測定時に健康上の問題が新たに発見された1名を除外し、40-53歳の女性3名がプログラムに参加した。蒸しタオルを毎日使用した者は腋窩温が0.3℃上昇し、週2回では変わらず、ほとんど使用しなかった者は0.3℃低下した。片足立ちテスト(閉眼)とタイムアップアンドゴーテストは3名とも改善し、エアロバイクによる多段階負荷時の脈拍数は、週2回の気候療法参加で全ワット数での改善が見られた。

考察 蒸しタオル使用による腋窩温の上昇、地形療法路を利用した気候療法プログラムでの静的・動的バランス能力と持久力向上が示唆された。今後、参加者を増やして更に検証する必要がある。

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© 2019 日本健康開発財団
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