超音波医学
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総説
胆・膵疾患のEndoscopic Ultrasonography―手技と診断―
真口 宏介小山内 学高橋 邦幸潟沼 朗生中原 和之
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2006 年 33 巻 5 号 p. 553-563

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抄録

内視鏡下超音波検査 (endoscopic ultrasonography : EUS) の利点は, 分解能が高く局所観察能に優れることであり, 各種画像診断の発展が見られる現状においても胆・膵領域では最も精度の高い診断法の一つである. 特に, 小病変の診断に有用性が高く, 膵・胆道癌の早期発見に期待が持たれている. しかしながら, 走査手技が難しく術者の育成が課題となっていた. その解決に向けラジアル走査式EUSによる膵・胆道領域の標準的描出法が作成され, 日本から世界に発信された. 一方, 欧米に遅れはとったものの超音波内視鏡下穿刺吸引術が本邦でも普及し始めている. このことにより画像診断に加え細胞診・組織診が可能となった他, 本手技を応用した治療にも発展してきている. EUSは, 内視鏡を挿入するという被検者への負担はあるものの, 得られる情報量は多く, 広く普及することが望まれる.

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© 2006 一般社団法人 日本超音波医学会
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