超音波医学
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症例報告
腹腔鏡下手術に腹腔鏡用超音波が有用であった再発粘膜下腫瘍の1例
三村 貴志石川 哲也島田 佳苗飯塚 千祥宮本 真豪市原 三義森岡 幹長塚 正晃岡井 崇
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2012 年 39 巻 2 号 p. 139-142

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抄録
婦人科において術中に腹腔鏡用超音波を使用したとの報告は少ない.今回,我々は2度の子宮鏡下筋腫核出術後に再発し,粘膜下腫瘍径が大きく,かつ子宮筋層に腺筋症を認めたため,腹腔鏡用超音波を用いて最適な筋層切開部を選択し,腹腔鏡下に安全かつ確実に手術し得たので報告する.症例は38歳0経妊0経産,過多月経を主訴に6年前,4年前に子宮鏡下筋腫核出術を施行したが再発し,再度上記症状を認めたため,前医を受診し,粘膜下筋腫が疑われ、当院紹介となった.粘膜下筋腫は6cm大で,子宮外への突出はなく,かつ近傍に腺筋症を認めた.そこで,粘膜下筋腫と腺筋症病巣の摘出とを同時に行なうため,術中に腹腔鏡用超音波を用い,筋腫と腺筋症の存在部位を明らかにし,最適な筋層切開創を決定することを計画した.実際,子宮は全体的に腫大しており,粘膜下腫瘍,腺筋症の特定は困難で,肉眼では切開部を決定出来ない状態であった.腹腔鏡用超音波を用いて腺筋症,粘膜下腫瘍の位置を確認し,腺筋症のある筋層を切開しそれぞれを摘出した.手術時間は1時間50分で,出血量250 ml,摘出重量は70gで,子宮内膜,筋層を層ごとに腹腔鏡下に縫合し手術終了とした.病理診断で,粘膜下筋腫ではなく,子宮腺筋腫であった.術後に貧血(Hb11.2 → 8.8 g/dl)となったが輸血することなく鉄剤の投与のみで軽快した.その他の合併症は認めていない.術中に腹腔鏡用超音波を用いたことで,粘膜下腫瘍を摘出する上での最適な筋層切開創が決定出来たため,筋層への切開創を最小限にすることが出来た.
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© 2012 一般社団法人 日本超音波医学会
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