超音波医学
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症例報告
3D/4D超音波法が有用であったNager症候群の出生前診断症例
宮崎 顕吉田 加奈古橋 円石川 薫
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2012 年 39 巻 3 号 p. 285-289

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抄録
胎児奇形のうち,上肢奇形は比較的まれな奇形であり,その中でもNager症候群,上肢の低形成にTreacher-Collins症候群に類似する下顎低形成を伴う非常にまれな疾患である.Nager症候群の出生前診断例の報告は非常に少なく,本邦での出生前診断の報告例は未だ調査した範囲では認めない.今回我々は,在胎30週にBモードおよび3D/4D超音波法を用いた胎児の詳細な観察を行い,両側の母指欠損を伴う上肢の低形成と小顎症を認めNager 症候群と出生前診断した.しかし,出生直後から遷延性肺高血圧症と著明な播種性血管内凝固を伴い,また喉頭気管食道裂(LTEC)を合併しており救命できなかった症例を経験したので報告する.
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© 2012 一般社団法人 日本超音波医学会
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