抄録
目的:正常肋骨および肋骨骨折の超音波像を検討し,その走査法,走査上のチェックポイントおよび病変部位の新しい表示法を提案する.対象と方法:対象は,2006年8月‐2011年2月までの54ヵ月間に肋骨骨折が疑われエコー検査を実施したもの83名で,この内,肋骨骨折と診断したもの44名(男性24名,女性20名),平均年齢64歳(24‐84歳)を対象とした.方法:1) 肋骨エコーの検査体位と拡大画像による走査法,2) 正常肋骨のエコー像,3) 骨折類似像,4) 骨折所見に基づくチェックポイント,5) 病変部位の新しい表示法を提案した.結果:被検者の検査体位は斜位または側臥位で行った.非骨折部位の肋骨と軟骨ではエコー像に違いがあり走査によっては骨折類似像がみられた.肋骨骨折のエコー所見は,圧痛部位に一致し骨折段差(step sign)と骨表面の血腫が主なものであった.骨折部位の表示は,時計軸を用いたことで,遡及性のある客観的な病変部位の表示が可能であった.結論:肋骨骨折のエコー検査は,拡大画像でリニア探触子を圧痛部位に走査し,step signと骨表面のecho free spaceであり,肋骨骨折の診断にエコー検査が簡便で有用と思われる.今後,肋骨骨折が疑われる場合,積極的にエコー検査の施行が望まれる.